嘔吐物の色(黄色 緑色 茶色 赤色 白色)|福岡市中央区の福岡赤坂大腸と胃の内視鏡クリニック

嘔吐物の色

Vomit 嘔吐物の色

吐き気・嘔吐について

吐き気・嘔吐について

吐き気は、嘔吐しそうになる時に生じる不快感で、めまいや腹部の不快感、食欲不振を伴うこともあります。
一方、嘔吐とは、食道を逆流して吐物が口から出ることで、必ずしも吐き気を伴うわけではありません。


WEB予約

吐き気・嘔吐を伴う消化器疾患

吐き気や嘔吐は、消化器疾患の症状の一例といわれています。消化器疾患が原因で起こる場合、吐き気や嘔吐はしばしば食欲不振や腹痛、便通の異常といった他の症状とともに現れます。ここでは、吐き気や嘔吐を伴う主な消化器疾患をいくつか紹介します。

①胃炎(急性・慢性)

胃の粘膜が炎症を起こす胃炎は、吐き気や嘔吐を引き起こす原因となります。急性胃炎は、ストレスや不適切な食事、過度なアルコール摂取、薬の副作用などによって引き起こされます。慢性胃炎は、ヘリコバクター・ピロリ菌による感染や長期的な胃酸過多によって生じ、吐き気や胸焼け、膨満感などの症状が現れます。胃炎が進行すると、胃潰瘍や出血を引き起こし、さらに深刻な症状に発展することがあります。

②胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃潰瘍や十二指腸潰瘍も吐き気や嘔吐の原因となります。胃潰瘍や十二指腸潰瘍は、胃酸が胃や腸の粘膜を傷つけることによって発生します。特に潰瘍が進行してくると、食後に吐き気や胸焼けが悪化し、嘔吐を伴うことがあります。出血を引き起こすと、吐血や黒色便(タール便)が見られることもあります。潰瘍の原因としては、ピロリ菌感染、過剰なアルコールや薬剤(NSAIDs)などが関与しているといわれています。

③胃がん

胃がんは、初期段階ではほとんど自覚症状がないことが多いですが、進行すると吐き気や嘔吐が現れることがあります。特に食事が進むにつれて胃の容量が満たされると、吐き気が強くなる場合があります。また、腫瘍が胃の出口部分に近い位置にできると、食べ物の通過が妨げられ、吐き気や嘔吐が頻繁に発生することがあります。

④腸閉塞(イレウス)

腸閉塞は、小腸や大腸が何らかの原因で閉塞し、腸内の内容物が正常に通過できなくなる状態です。腸閉塞は吐き気や嘔吐、腹痛を引き起こす場合があります。腸閉塞の原因としては、腸内の腫瘍や癒着(手術後など)、ヘルニアなどが挙げられます。閉塞が進行すると、嘔吐物に腸液や食物が混じり、緑色の液体を吐くことがあります。腸閉塞は緊急の対応が必要な疾患であり、放置すると命に関わることがあります。

⑤虫垂炎

虫垂炎と吐き気は密接に関連しています。虫垂炎が進行すると、腹部の炎症が全身に影響を与え、吐き気を引き起こすことがあります。初期段階では、腹部の右下に痛みが現れると同時に、吐き気や食欲不振も見られることが多いと言われています。虫垂が腫れたり、感染が広がることで、胃や腸の動きが乱れ、吐き気を誘発することがあります。特に炎症が進行して膿がたまると、痛みが強くなり、嘔吐を伴うこともあります。従って、虫垂炎の症状に吐き気が加わる場合は、早期の診断と治療が必要となります。

吐き気や嘔吐は、消化器疾患によって引き起こされることが多く、その原因は多岐にわたります。軽い症状で済む場合もあれば、重篤な病気が隠れていることもあるため、これらの症状が長引いたり、急激に悪化した場合は、早期に消化器専門医の診断を受けることが重要となります。


WEB予約

緑色の嘔吐物

嘔吐物が緑色の場合を胆汁性嘔吐と言い、特徴的な濃い黄緑色の胆汁とともに放出されます。嘔吐物に含まれる胆汁の色は、胆汁が胃の中で留まっている時間に応じて、黄色から濃い緑色に変化します。胆汁が緑色の場合は、最近摂取した食品が原因の場合もあります。
胆汁性嘔吐を起こす原因は、二日酔いや食中毒、腸の閉塞などが考えられます。

胆汁性嘔吐

胆汁性嘔吐は、嘔吐物に黄色または緑色の液体が混じる状態を指します。胆汁性嘔吐は、嘔吐物に胆汁が含まれているために黄色や緑色となります。胆汁は肝臓で生成され、胆嚢に一時的に貯蔵された後、消化を助けるために十二指腸に分泌されます。通常、胆汁は消化管の下部で分泌されるため、嘔吐物に混じることはありません。しかし、嘔吐が繰り返されると、胃から食物が完全に排出され、その後に胆汁が逆流して胃に戻り、嘔吐物に含まれることがあります。胆汁性嘔吐は、消化管の閉塞や腸の蠕動運動の異常、腸閉塞、腸ねじれなどの消化器疾患に関連していることが多いと言われています。これらの疾患により、胆汁が上部消化管に逆流し、嘔吐を引き起こすことがあります。また、過剰なアルコール摂取や急性膵炎、胆石症なども胆汁性嘔吐の原因となることがあります。胆汁性嘔吐を繰り返す場合は、消化器疾患が疑われるため、早期に医師の診断を受けることが重要となります。

黄色の嘔吐物

黄色の嘔吐は主に胆汁の放出によって引き起こされます。主な原因は、開口部や管、血管、または中空器官が狭窄を起こすことで、特定の物質が正常に通過できなくなることによって嘔吐を引き起こします。

糞便臭のある茶色の嘔吐物

嘔吐物の色が茶色〜濃い茶色で、糞便のような臭いを伴う場合は、大腸壁の麻痺または他の閉塞性の理由によって腸が閉塞を起こし、慢性便秘や腸の胆石、ポリポーシス、大腸腫瘍、窒息による糞便排出の阻害が原因と考えられます。
腸閉塞を起こすと、体内で生成された糞便物質が肛門へ無各ことができずに反対方向に上昇します。この場合の嘔吐を糞便性嘔吐と言います。 一般的に、糞便性嘔吐物が液体で明るい茶色であるほど消化管の閉塞、硬く暗い茶色であるほど閉塞が少ない状態と考えることができます。

糞便性嘔吐

糞便性嘔吐は、嘔吐物に腸内の内容物が混じっている状態を指します。これは、消化管の閉塞が進行して腸内で発生した内容物が逆流し、嘔吐物として排出される現象です。通常、糞便が口から出ることはありませんが、腸閉塞や腸捻転、腸閉塞症などの疾患では、腸内の圧力が異常に高まり、糞便や腸内ガスが逆流して嘔吐物に混じることがあります。糞便性嘔吐が見られる場合、消化管の深刻な障害が疑われます。特に腸閉塞や腸捻転などの疾患は、命に関わる場合があるため、速やかに専門的な治療が必要となります。糞便性嘔吐を伴う症状としては、激しい腹痛、腹部膨満感、排便がないこと、腹部の圧痛などがあり、これらの症状が現れた場合は、直ちに医療機関を受診することが推奨されます。

カフェイン色の嘔吐

カフェイン嘔吐とは、嘔吐物の色がコーヒーかすに似た茶色をしている嘔吐のことを言います。主な原因は、内出血によって嘔吐物に消化・凝固した血液が混入することで引き起こされると考えられています。なお、カフェイン嘔吐は糞便性嘔吐とは異なり、糞便様の臭いはありません。
カフェイン嘔吐の原因となる消化・凝固した血液は、主に消化管下部の内部出血によるものとされます。内部出血した血液が消化されることで、繰り返し嘔吐を引き起こします。

真っ赤な嘔吐物(吐血)

嘔吐物が真っ赤な血で染まる嘔吐(吐血)は、内出血した血液が凝固・消化されずに嘔吐物に混入することが原因で引き起こされます。主に胃や食道の潰瘍が開いている場合に多いとされます。また、吐血は食道静脈瘤が破裂した場合にもしばしば発生します。肝硬変などの慢性肝疾患の合併症であるケースが多く、深刻な症状のため早急に適切な処置が必要です。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃潰瘍および十二指腸潰瘍は、胃や十二指腸の内壁に傷ができる病気のことをいいます。胃潰瘍は胃の内壁に、十二指腸潰瘍は十二指腸の内壁にできる傷で、共通して痛みや不快感を引き起こします。胃潰瘍や十二指腸潰瘍の主な原因は、ヘリコバクター・ピロリ菌感染、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の長期使用、過剰なアルコール摂取、ストレスなどと言われています。ピロリ菌が胃粘膜に感染すると、胃酸が過剰に分泌され、粘膜が傷つきます。また、NSAIDsなどの薬は胃の防御機能を低下させ、潰瘍の原因になります。潰瘍の症状には、上腹部の痛みや不快感があげられます。特に空腹時や食後に痛みが強くなることが多いとされています。痛みだけではなく、吐き気や食欲不振、胸焼け、吐血や黒色便(タール便)が現れることが知られています。

白色の嘔吐物

嘔吐物が白色をしている嘔吐は、主に酸性の胃液によって引き起こされます。多くの場合、嘔吐物が粘液性を伴う特徴があります。その他では、ミルクなどの白いものを食べた際の嘔吐でも、嘔吐物が白色になることもあります。

吐き気・嘔吐で病院を受診するべきタイミング

吐き気や嘔吐が続く、または悪化する場合、専門的な診断を受けることが重要となります。特に、下記に該当する方はお早めに医療機関に相談しましょう。

  • 嘔吐が数日以上続いている
  • 血液が含まれている
  • 強い腹痛や胸痛を伴う
  • 高熱が出る
  • 頭痛、視力の異常、意識障害が伴う
  • 嘔吐後に全身のだるさや倦怠感が強く感じられる

これらの症状は、消化器系や神経系、あるいは内臓の重篤な病気を示唆している場合があり、早期に医師の診断と治療を受けることが求められます。吐き気や嘔吐は、日常的に見られる症状ですが、その原因によっては重大な疾患の可能性があります。症状が一過性であれば自宅で対処できることが多いですが、症状が続いたり、強い痛みや異常を伴う場合は、医療機関での診断が必要となります。早期に適切な治療を受けることで、病気の進行を防ぎ、早期回復を目指すことができますので、我慢することなくお早めにご相談ください。


WEB予約

吐き気・嘔吐がある方へ

吐き気や嘔吐は、日常的に発生することがある症状ですが、その原因は多岐にわたります。時には軽度で一過性のものもありますが、持続的である場合や重篤な病気の兆候である可能性もあるため、注意が必要となります。特に胃腸炎や食中毒、胃潰瘍、腸閉塞などが原因で吐き気や嘔吐が生じる場合では早期に医療機関に相談するようにしましょう。

WEB予約

WEB予約 reserve LINE予約 reserve
LINE WEB予約 reserve

お電話でのご予約はこちらから

092-733-8188

受付時間|8:00-18:00

page top